夜の光に照らされた私の世界
私は夜が好きです。
いや、昼も好きです。
冒頭から何ワケの分からんことを言ってるんだか(笑)
私は“夜”というと特別な感情がふわりと湧き上がるんですけど、人と「昼と夜どっち派?」なんて話をしたことがないので・・・笑
「夏派?冬派?」じゃあるまいし。
だから、夜に対する自分の思いが果たして特別な感情なのか、ごく一般的な感情なのかよく分からなくて。
昼は昼で好きですし。
太陽が苦手な夜行性タイプというわけではありません。
まあ、別に普通なのかもしれない(笑)
でも、とりあえず今回は「私は夜が好き」というお話。
子どもの頃からわりと夜が好きでした。
特に意識するようになったのは大学時代でしょうか。
夜の暗闇と、それを利用するかの如く鮮やかに灯る街の光。
そして昼とはまったく質の異なる笑い声が響く。
当時さまざまな不安や鬱憤を溜め込んでいた私にとって、それらは私の切なさを増幅させ、心を掻き乱す一方で、何も言わずに受け入れてくれるものでもありました。
みんな生まれてから同じ回数の昼と夜を経験しているはずなのに、夜はどうしてこうも非日常的な気分にさせるのか。
夜って、昼間の太陽がどんなに明るく照らしても見えないものを浮かび上がらせますよね。
むしろそういうものは照らそうとすればするほど息を潜めてしまう。
でも、夜ならば見えてくる。
私たち人間は、誰にでも平等に、暖かく降り注ぐ太陽の光を本能的に求めていると思います。
だけど、人工的な光によって映し出された、昼間とは全く違う姿の街もとても好きで。
赤にも青にも染まるしね。
そして、夜だからこそ見えるものがある、というのが私にはたまらない。
街も、人も、そして人の心も。
昼間のファミレスでは他人に話そうなんて絶対思わないようなことでも、夜のバーではふと打ち明けてみたくなったりする。
お互いに、家族の前や会社では見せることのない顔。
礼儀はあっても、上下関係はない。
この夜だけ心を通わせる。
そんなのが不思議なほど心地良く感じて、このまま朝にならなければいいのにな、なんて。
外が明るくなってきたことに気付くと、途端に現実を思い出してしまうんだもの。
私が夜の仕事にはまったのは、偶然ではなかったように思います。
むしろ、私の世界はここだったのか、という感覚すらありました。
お店に向かうとき、昼とは違った顔になって賑わい出す街を歩くのは、毎日のことなのに心が躍る。
これから夜が始まる。
今日はどんな出会いがあるのか。
どんな話を聞けるのか。
人々にとって夜は一日の終わり。
でも私にとっては、夜からが本当の始まり。
私が一番ときめく世界。