水商売は誇れるか
こんにちは。
知沙都(ちさと)です。
私ね、よく考えるんですよ。
表題の件。
「水商売は誇れるか」って。
私はガールズバーの仕事が本当に楽しくて、熱心にやっていたらNo.1になれました。
天職だと思える仕事に出会えたこと。
規模としては小さいけれど、努力して成功を収めたこと。
この2点は、非常に誇らしく思っています。
Twitterをやっていると、1点目は特にそうですね。
会社を辞めたい、働きたくない、自分は社畜だ、時間を切り売りして稼ぐのは人生がもったいない・・・
とか何とか、そんな声ばかり。
私は時給で働くアルバイトキャストだったので、自分の1時間を1000円台で売っていたことになります。
不労所得こそ素晴らしいみたいな人に言わせれば、完全に負け組ってことになるんでしょうけども。
だけど、売った1時間がめちゃくちゃ楽しいんだもの。
楽しい思いをさせてもらって、お金までもらえるんですか?
いやーありがとうございます!
働いてない時間より働いてる時間の方が楽しかったのですから、負けてるワケない。
むしろ大勝利じゃないですか。
・・・と、ここまで言ってしまうとちょっとかなりすごくヤな感じですけど(笑)、一生続けたいと思える仕事に出会えたのはものすごくラッキーなことなんだなって。
しみじみと感じるわけです。
しかし、ですよ。
「大好きな仕事で、努力して成功を収めた」
きっと誰に話しても称賛してくれると思います。
良かったね、頑張ったんだね、って。
だけど、これが水商売の話となると、そうもいかなくなるわけです。
はい、ここまでが前置きです。
長いですね。すいません。
ブログやTwitterではガールズバーについてせっせと発信している私ですが、実はリアルではサッパリ。
つまり、周囲の身近な人にはほとんど打ち明けていないのです。
親や家族にはガールズバーのことを一切言っておらず、隠すためにさまざまな場面で嘘をついてきました。
友達でも知っているのは4人だけ。
小学生以来の長い付き合いの友達だけです。
あとは、「なんで、私がガールズバーに?バイトを始める前の話」で少しだけ登場した元彼くらいですかね。
例えば、学生時代にお世話になった先生や、前の会社の尊敬している上司と話す機会があったとして・・・
言えるだろうか?
堂々と胸を張って「水商売をやっていました」と。
うん、言えないでしょうね。
私はね。
だって、やっぱりどう足掻いたって水商売は世間一般的にイメージの良い仕事ではないんですもん。
まず、学歴や資格、経験がなくてもOK。
いわゆる「誰でもできる仕事」である。
もし今「でも可愛くなきゃ無理でしょ」と思ったなら、良いイメージを持ってくれているほうですね。
実際には可愛くない子も多いです。私とか(爆)
実際、やろうと思えば誰でもできる仕事なんですよね。
どんな仕事か簡潔に説明するならば「喋ってお酒を飲む仕事」ですから。
もちろん何も考えずに喋っていればいいわけではないですよ。
でも、いきなりバック転しろと言われてもできないけど、喋ることならできるでしょう。
そのくせ、時給が高い。
ガールズバーだと東京都内でも1000円台が多いと思いますが、キャバクラなら安くても2000円くらいはもらえるはず。
私が働いていたキャバクラは最低時給でももっと高かったです。
で、喋ってお酒を飲んでいるだけならまだいいんですよ。
だけど、さらに悪いことに「異性をたぶらかしてお金を取る仕事」なんですよね。
お客様全員がたぶらかされているとまでは言わないけれど、異性という要素を求めて来店していることはほぼ間違いないですから。
妻子持ちのお客様ももちろんいます。
それを知っていても、深夜まで飲んでいるのを咎めはしない。
むしろ「もっと居て」「また来てね」と言う。
必死に働いて稼いだお金、もっと家族のために多く使うべきお金を、どこの馬の骨とも分からない女がかっさらっていく。
その女のせいで夫は遅くまで家に帰ってこない。
もし奥様が知ったら、そう思うでしょうね。
私がそんな仕事をやっていると知ったら、親や家族は悲しむだろうか。
先生や恩師はがっかりするだろうか。
四年制大学まで行かせてもらって、きちんと就職もしたのに、それを辞めて水商売のバイトだなんて。
友達が知ったら、引くだろうか。
幻滅するだろうか。
今まで一緒に頑張ってきたのに、ラクして稼げる仕事、男を騙す仕事に行っちゃったんだね、と思われるだろうか。
いやいや、水商売は良い仕事だよ!と言うことももちろんできますけどね?
確かに誰でも簡単に始められる仕事だけど、お客様を楽しませる接客はとても難しい。
何しろ接客そのものに対してお金を出してもらおうというのだから、決して甘いものではないのだ。
それに「たぶらかす」なんてとんでもない。
色仕掛けが唯一にして最強の手法なんかじゃない。
落ち込んでいるお客様を励ましたり、愚痴を聞いたり、馬鹿騒ぎしたり。
一緒に笑って一緒に泣いて。
水商売はお客様を元気にする仕事。
ラクして稼げるというのも違う。
いろんなタイプのお客様に合わせるために、常にアンテナを張って、自分の引き出しを増やしていくことが非常に大切。
お客様に嫌な思いをさせられることだって珍しくない。
さらには、お客様と日常的にLINEや電話をしたり、同伴やアフターをしたり、実は時間外業務も多い仕事なのである。
ざっくりだけどこんな感じかな。
水商売だって、世の中の他の仕事と同じ。
成果を上げるためには勉強や研究が必要だし、お客様の笑顔や「ありがとう」の言葉を喜びとして頑張っているんです。
ですよ。
ですけど・・・
うーーーーーーーーーーん
でもね。
やっぱりね。
先に挙げた悪いイメージの方も、否定はできないと思うんですよね。
「誰でもできる」は別としても(実際、メンタル的に向いていなくて辞めていく子も多い)、お客様を騙している的な部分をゼロにするのは非常に難しい。
じゃあアイドルだって同じじゃないの?と言われるかもしれないけど、アイドルは基本的に大勢に向けてやってるものですからね。
ファン一人ひとりと接するイベントもありますが、それが活動のメインではないでしょう。
そもそも接客業全般、お客様を大げさに褒めたり、心にもないことを言ったりする場面があると思うんですよ。
特に水商売は、売り物やサービスが他にあるわけではなくて、自分の接客が商品。
お店の空間やお酒はメインではない。
常に本心しか言わない!っていう接客の達人もいるかもしれませんけども。
少なくとも私は、本心だけで接客はできませんでした。
素敵な服を売っているわけでもなく、美味しい料理が作れるわけでもなく、おしゃれに髪を切ってあげられるわけでもない。
それこそお客様の役に立つものなんて何も持っていない私が、繰り返し来店してもらおうっていうんですから。
そりゃあ、相手を気持ち良くさせる言葉を吐きまくりますよ・・・
極端にいえば一種の詐欺。
言い過ぎかもしれないけど、でも実際そう言いたいお客様もいると思います。
夢を見させてお金を取るんですもん。
「私は騙すようなこと絶対言わないよ!」っていうキャストがいたとしても、こういう業界であることは否定できないと思うのです。
お客様も本来そういう場所だと分かってて来てるはずなので、詐欺にはならないけど。
さて。
じゃあ、水商売のイメージが改善されて社会的な地位が向上してほしいのかというと、それは何か違う。
水商売やってるよ!
へ~!すごいね~!
と言われるように、世間の見方が変わってほしいのではない。
世間様に認めてもらえない現状を嘆いているのでもない。
誰でも堂々と通えるようなお店になるべきだとも思わない。
それでは存在意義がなくなる。
真っ当と言われる社会とは一線を画す、そういう世界に居場所と救いを求める人はいつの時代にもいるんだろうなぁと。
そこで働こうという人々も含めて。
上手くまとめられませんが・・・
やっぱり水商売そのものは誇れないんじゃないでしょうか。
どう頑張っても世間的なイメージが悪いのは仕方ないし、実際その通りとしか言えない面もある。
だけど、クリーンになるのが望ましいというものでもないんですよね。
需要は間違いなくある。
水商売に従事することで身に付くスキルもある。
だけど、それは水商売が誇れる仕事かどうかとは別問題。
身近な人やお世話になった人に知られたら、がっかりされるかもしれない。
がっかりされたからって、偏見だとか言って責めることはできないとも思います。
でも、いいのです。
一般社会に誇れなくても。
何より私自身が誇りに思ってるから、いいのです。
一般社会に誇るつもりで水商売を始めたわけじゃないしね。
むしろ、誇れない仕事、陽の当たらない仕事をやってみたくて水商売の世界に飛び込んだのですから。
誇れない仕事が誇れる自分に繋がるって何か変ですけど。
はい。こんな着地点迷子状態で4000文字近くも書いてしまいましたよ。
そろそろ終わりましょうかね。
何が言いたかったのか分からない記事になっていることは重々承知なのですが、でも前から書きたかったのです。
水商売って確かに華やかな一面もあるし、莫大な売上を叩き出すキャバ嬢やホストは本当にすごいと思います。
でも、手放しに称賛できる仕事ではないよなーとも感じていて。
テレビ番組にキャバ嬢やホストが出演していることもあるけれど、やっぱり汚い部分だって絶対にあるはずなんですよ。
真心だけで勝ち抜ける世界ではない。
もっと言うと、真心が求められている世界でもない。
それと、ガールズバーブログを楽しく執筆しながらも、相変わらず家族や友達には打ち明けられない自分。
誇らしいのに、誇れない。
どこか矛盾しているような、していないような、そんな思いを書きたかったのです。
ということで、ぐだぐだ長い駄文をここまで読んでくださったあなた。
本当にありがとうございます。
お礼に100万円をプレゼントしま・・・せんが、お星さまにあなたの幸せをお祈りしておきます。
ではでは、今回はこの辺で。