この夜が明ける前に ― Chisato's blog

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夜の光に照らされた私の世界

私の最初の指名客になってくれたお客様

こんにちは。

知沙都(ちさと)です。

 

今日はあいにくの雨なんですけども、やっぱり真冬とは寒さが違いますね。

厚着していれば暖房はいらないかもしれないなーと思いつつ、暖房ガンガン入れて書いています。

寒いの嫌い。笑

 

 

私は水商売の世界に入ったのが遅く、それまではずっと地味~に地味~に生きてきたので、働き始めてからもキラキラ感や華やかさはあまりなかっただろうと思います。

良くも悪くも水商売っぽくない。

 

少しずつ慣れていく中で「お水っぽくない」のを強みとして生かせるようになりましたが、最初の頃はただただ素人感全開というか、ダサいというか(笑)

何でココに来ちゃった?キミはもっと真面目なお仕事してたんじゃないの?(笑)って感じだったんですよね。

 

それまでは化粧も薄かった(テキトーだった)のだけど、水商売をやるなら、ケバくなくてもいいけどある程度はしっかり化粧しなきゃいけないよね?とアイラインをやたらガッツリ引いてしまったりして(笑)

 

化粧もアクセサリーも服装も、自分の顔・身体やキャラクターに合うものに落ち着くまで、だいぶかかりました。

 

というわけで、働き始めて最初の数か月は、歳の割に垢抜けない、芋女(笑)だったわけです。

 

しかし、毎日たくさんのお客様と会っていると、そんな私でさえ良さを見出してくださる人がいて。

 

今回は、私が働き始めてから3~4か月経った頃、初めての「指名客」になってくれた方のお話です。

といっても、このお客様とのエピソードはいろいろあるので、今日は初期の頃のお話だけ。

 

 

その方のお名前は「森野さん」といいました。

私が働くRed Moon Bar(通称「レッド」)の近くに事務所を構える社長さん。

 

レッドの常連さんではなく、私が初めて森野さんの席に着いたときは、まだ2回目の来店でした。

 

森野さんは、若い頃から有能サラリーマンでバリバリ働き、当時は確か独立して3年目くらいだったかな。

まぁ、一言でいえばお金持ち(笑)。

キャバクラが好きで、夜のお店での遊び方、作法は完璧に心得ていました。

(いや、ご本人が思っているほど完璧ではなかったかもしれない)

 

当時はレッドの近くのキャバクラにお気に入りの嬢がいて、そちらのお店に長いこと通っていたようです。

あまり詳しくは聞いていませんが。

 

そんな森野さんから見て、私のような素人っぽいキャストは新鮮だったらしく、興味を持ってくれました。

 

森野さんには小学生と中学生のお子さんがいたので、あまり若くて無邪気な嬢は苦手。

かといって、自分が社長であると言った途端に接客態度が変わるような、ギラギラしたタイプも疲れる。

 

そんなときに、森野さんの前にぽっと現れたのが私だったそうです。

 

ガールズバーのキャストにしては若い方じゃないし、きゃぴきゃぴしてないし(しようと思ってもできないだけだが)、ギラギラもしてない。

ついでにキラキラもしてない。笑

 

私は、知り合った人にかなりの確率で「落ち着いてるね」と言われます。

プライベートでも。

キャストとしてはもっと明るさを出せた方がいいのかなと思いつつ(暗くはないけど)、自分のキャラを自在に操れるほど器用ではなく、それは辞める時まで同じでした。

 

さて。

森野さんはそんな私のことを「職場の姉ちゃんと話してるみたい」と言っていました。

私って水商売らしくないよなーとずっと思っていましたが、森野さんがそう言ってくれたおかげで、それを長所として捉えることができるようになった気がします。

 

冒頭に書いたように、森野さんは私にとって初めての指名客となり、初めての同伴もしてもらうことになりました。

(同伴:食事などを一緒にした後、そのままお客様をお店に連れて出勤すること)

 

同伴の日、食事に行ったのは少し高めの焼き肉屋さん。

森野さんが予約してくれました。

私はお客様とお店以外で会うのが初めてで、二人きりで食事なんてどう振る舞ったら良いのか分からず、非常に緊張していました。

 

でも森野さんはさすがというか、とても慣れていて、食事中もその前後もずっと紳士的。

ぎこちない私をリードしてくれて、本当に有り難かったです。

 

当時のレッドでは同伴出勤するキャストはほとんどいませんでしたが、森野さんのおかげで、私はドキドキしながらも誇らしい気持ちで初同伴を果たしたのでした。

 

 

 

さて、そんな私たちが、その後どうなったか。

 

私は、お水っぽくない、でも素人っぽくないキャストへの脱皮に成功。

以前の記事に書いたように、芋女からNo.1へと奇跡の変貌(笑)を遂げます。

森野さんは、夜のお店に詳しいだけあって、嬢の将来性を見抜く目があったのかもしれません(←自分で言うな)

 

森野さんはというと・・・

私が働いていたレッドを支える超常連になったばかりでなく、後に系列他店舗にも足を運ぶようになり、系列全体にとっても一番大事なお客様といえるくらいスーパー太客へと成長。

社員はもちろん、系列店のバイトのキャストでも、誰もが知っているお客様になりました。

(太客:ある程度の頻度で通ってくれて、使ってくれる金額も多いお客様)

 

 

しかしながら、レッドのキャストの中で最初に森野さんの指名をもらったのは私でしたが、実は、辞めるまでずっと続いたわけではありませんでした。

森野さんはずっとレッドに通い続けていたけれども、私とは親しい時期と疎遠な時期を繰り返しました。

何でそんなふうになってしまったのか、よく分からないんですけどね。

 

それでも、いろいろ、本当にいろいろあったけど、今もたまーに連絡を取っています。

私に成長のきっかけと自信を与え、初期からの成長を見守ってくれた、大切なお客様なのです。

 

 

(最後「大切な人」って書くか「大切なお客様」って書くか迷いました。笑

 まぁ、どっちもです。)

 

 

 

*人物名、店名は実際とは異なります*