この夜が明ける前に ― Chisato's blog

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夜の光に照らされた私の世界

キャストのドリンク問題(1)

こんにちは。

知沙都(ちさと)です。

 

ドリンク問題、というタイトルを付けましたが、おそらくこれは1000字や2000字では収まりますまい。

 

これはガールズバーで働く上で、そしてガールズバーを訪れるお客様にとっても、避けては通れない問題なのであります。

そして、ガールズバーにあまり馴染みがない方でも、もしこのブログを今後も読んでくださる可能性があるならぜひ知っておいていただきたいお話です。

(いや、可能性なくても・・・読んで・・・)

 

 

 

ガールズバーでは、お客様に「君もお酒を飲んでいいよ」と言ってもらえると、キャストは自分のお酒をつくってお客様と一緒に飲むことができます。

 

お客様のドリンクが飲み放題でも、キャストのドリンクは有料(=お会計に入る)。

お店によりますが、ガールズバーならおそらく1杯1000~1500円くらいが一般的ではないかと思います。

 

ウーロンハイでも、レモンサワーでも、カシスオレンジでも、(こっそりソフトドリンクを飲んでいても、)1000円。

たっか!!!!

ちょっと良さげなバーのウイスキーみたいな値段ですやん。

業務用の安い焼酎を業務用の安い烏龍茶で割っただけでも1000円!!!

値段高すぎ高杉君もいいとこですよ。

 

(お金持ちさんは構わないかもしれませんが)お客様にしてみたら、お喋りしている女の子に1杯おごるごとにお会計が1000円上がるので、ホイホイ飲ませるわけにはいきませんよね。

 

しかし、店側にとってはキャストのドリンクによる売上は非常に大切。

ドリンクは客単価を上げるためにあります。

平日でも満席になるようなお店でない限り、席料だけでは利益を出せません。

キャストには、お客様からできるだけたくさんドリンクを出してもらわなくてはならないのです。

 

そして、キャストがより多くのドリンクをもらおうとするモチベーションになるのがドリンクバック。

お客様からドリンクをいただけるごとに、キャストにバックマージンが入ります。

詳しくはこちらの記事へ↓↓

 

chisato-lightofnight.hatenablog.com

  

ドリンク問題とは、お客様の懐具合&心理と、たくさんドリンクをもらおうとするお店・キャストとの、仁義なき(?)戦いなのです。

 

 

 

私のお客様で「たまっち」という方がいました。

先日書いた「私の最初の指名客になってくださったお客様」で森野さんのお話をしましたが、森野さんとほぼ同時期に知り合ったお客様です。 

chisato-lightofnight.hatenablog.com

 

たまっちは、言葉を選ばずに言うと、あまりお金がありません。

しかし、とっても寂しがり屋さんで、昔からお仕事が休みの日にはよくガールズバーに飲みに行っています。

 

私も含めキャストたちは、たまっちが出来るだけ少ないお金で長居したいのをよく知っていました。

お店にとっては、いや、私の個人売り上げを考えても、「有り難いお客様」ではありません。

それでも信頼関係を築いて通い続けていただくことが重要なので、私は数時間ドリンクをもらわずに接客することもよくありました。

(使ってくれる金額でいえば「有り難くない」ですが、すんごく優しくて良い人です。別の面ではめちゃくちゃ「有り難いお客様」でもあります)

 

 

言い方が悪いかもしれませんが、売上はお金をどんどん使ってくださるお客様に出していただけばよいのです。

もちろん、金額に関わらず、キャストである我々が精一杯楽しませることが大前提ですが。

どのお客様にもお金をたくさん出させようとしたり、お金に余裕のないお客様から搾り取ろうとしたりするのは、長い目で見て得策ではないと私は思います。

 

 

しかし実際には、とにかく目の前のお客様にお金を使わせよう、ドリンクをたくさん出してもらおう、というキャストの多いこと。

 

たまっちはあまりお金を使いたくないけれども、女の子に「飲んでもいいですか」と言われると断れないタイプ。

 

たまっちがRed Moon Bar(私が働いていたお店)の系列他店舗に行ったとき。

 

キャストがたまっちの席に着くなり、

「一緒に乾杯してもいいですか?(にっこり)」

 

10分足らずで飲み干し、

「もう1杯いただいてもいいですか?(にっこり)」

 

その後、もう1人別のキャストが着いて2人になり、

「一緒にいただいてもいいですか?(にっこり×2)

 

2人とも10分で飲み干し、

「もう1杯飲みたいな♪(にっこり×2)ね!いいよね!(はーと×2)」

 

その上、頼んでもいないのにカラオケを始めてまともに喋りもせず、最悪だった!!!と、たまっちから聞かされました。

キャストがドリンクを合計6杯飲んでるので、6000円アップ。

カラオケも有料。

5000円以内で収めたいと思っていたたまっちは、最初の60分でさっさと引き上げたそうです。

そしてこう言います。

 

「もう絶対行かない」

 

 

 

お客様が「ノー」と言わなければよし、言わせなければ勝ち!だと思っているキャストが多すぎるんですよね。

ノリでドリンクもらっちゃえ!っていう。

ベテランでも結構いる。

それから、お客様の答えが「イエス」でも、本心は「ノー」である可能性に気付かないキャストもたくさんいます。

 

 

キャストは言わば「営業職」、つまり店の売上を稼ぐのが使命。

たくさんドリンクをもらうのは正義です。

 

しかし一方で、お金を出していただいている、という意識は絶対に忘れてはいけない。

さらには、お金を出すだけ出してもらって、楽しませる努力を怠るのは言語道断。

なぜ1杯1000円もするかって、キャストの接客という付加価値のためなんですから。

 

まずは、お客様を楽しませること。何としてでも。

「営業職」としては、お客様が何円くらいなら出してくれるか・出させることができるか探り、見極めること(お客様のその日の気分にもよりますし)。

そして、お客様に気持ち良く出していただける範囲内で、できるだけ高いところに持っていくこと。

 

「お客様に嫌な顔をされたくないから、ドリンクは頼まない」というキャストもいましたが、これはまたどうなのかなという気がします。

私も実はドリンクをお願いするのは非常に~~~苦手でした。

しかし、自分は営業職なんだと考えると、求められている仕事をきちんとすべきじゃないかなと思います(No.1のプライドもありましたし)。

 

まぁ、ドリンクをもらえればバックが入り、もらえなければ入らないようになっているので、こういう人はこういう人でいいってことなのかもしれませんが。

 

 

ドリンク問題、次回に続きます。

いや、もしかしたら間に別の話が入るかも・・・

無計画ですいません(笑)